ハリー・ポッターと賢者の石 第15章(前半)

チャーリーの友人たちにドラゴンを無事引き渡し、塔から降りてきたところをフィルチにつかまったハリーとハーマイオニーは、マクゴナガルの研究室に連れていかれる。そこへネビルを連れたマクゴナガルがやってくる。ネビルはマルフォイからドラゴンのことを聞き、ハリーに警告しようと探していたのだ。校則違反はマルフォイを入れて合計4人になった。

この時、ひとり50点の減点をし、「ひどいかひどくないかはわたしが決めます」といい放つマクゴナガルは小気味いい。自分の寮でも容赦なく減点する彼女の公平さが、わたしは大好きだ。スネイプのひいきとの対比を見せるという作者の意図も加わっているのだろう。
ハリーが学校のみんなから白い目で見られるというエピソードはほとんどの巻に出てくる。この時の「150点一挙減点」はその最初のケースだろう。

何日かたって、ハリーはクィレルが「もうどうぞお許しを」と泣いているのを耳にする。ハリーは相手がスネイプだと思い込んでいたが、あとで考えれば、自分にとりついたヴォルデモートと話していたのだ。「クィレルが曲がったターバンを直しながら、教室から急ぎ足で出てきた」という描写は、2度目に読んだ時に初めて「なるほど!」と思う。

その翌朝「処罰は今夜11時に行います」というマクゴナガルの手紙が来る。
夜、ハリー・ハーマイオニー・ネビル・マルフォイの4人はフィルチに連れられ、ハグリッドといっしょに森に入ることになる。
この「罰則」は、この巻でいちばん違和感を感じることろだ。
まだ一年生の4人を、ふだん立ち入り禁止の危険な森に行かせるとはどういうことなのだろう。おまけに、なぜ夜中なのだろう。
ハグリッドは偉そうに「悪いことをしたんじゃから、その償いをせにゃならん」とマルフォイに言うが、そもそもこの4人が罰則を受けるのは、ハグリッドが違法行為をしたからだ。自分の違法行為をこどもたちに尻拭いさせておきながら、この偉そうな物言いは何なんだ!
ハリーたち3人はハグリッドが大好きで、その気持ちは終始ゆるがない。特にハリーにとっては、初めて自分に魔法界のことを教えてくれた忘れられない人物だ。でもわたしは、この章を読んでハグリッドが大嫌いになった。