2018-01-01から1年間の記事一覧

ハリー・ポッターと死の秘宝(第9章前半)

「客は蜘蛛の子を散らすように走り出し、大勢が姿くらましをした。隠れ穴の周囲に施されていた保護の呪文は破れていた」と書かれている。 姿くらましで出入りできないようになっていたはずなのに、それがすでに破られているということは、魔法省にいる死喰い…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第8章後半)

ハリーは列席者の中にエルファイス・ドージを見つけた。日韓予言者新聞に長文のダンブルドア追悼文を書いた人だ。その記事に添えられていた写真の記憶から、ドージだとわかったのだ。ハリーは本当の名前を名乗って、ドージに話しかけた。せっかく他人に化け…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第8章前半)

翌日。結婚式が始まろうとしていた。 ハリーはポリジュース薬を飲んで、赤毛の他人になりすましていた。「親戚の多いウィーズリー一族にまぎれこませ、『いとこのバーニー』として紹介するという計画になっていた」と書かれている。ウィーズリーの親戚はみな…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第7章後半)

アーサーといっしょに入ってきた魔法大臣スクリムジョールは、前に会ったときより頬がこけ、厳しい表情になっていた。就任から一年、いろいろ苦労があったのだろう。 しかし、このあとの話を読むと、彼に同情しかけた気持ちがふっとんでしまう。 スクリムジ…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第7章前半)

7月31日の夜明け。ハリーの夢からこの章が始まる。ヴォルデモートの意識とつながっている夢だ。ハリーはこのような夢を過去にも何度か見ている。 今回、ヴォルデモートは山道を歩いている。ある男に会いに行くところだ。その男が、ヴォルデモートが求めてい…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第6章後半)

ハリーとロンとハーマイオニーは、話し合いを続けている。 ハーマイオニーは、話しながら本をどんどん仕分けしていた。彼女には、ふたりの発言をとらえて理解しながら本を分類するという、ふたつの頭脳労働を同時に行う能力があるのだ。誰にでもできることで…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第6章前半)

前章で、ビルとルーピンはムーディの遺体を探すために出ていった。 だからこの章では、その結果がまず書かれると思ったのだが、作者はムーディの遺体については何も言わず、単に「マッド・アイを失った衝撃は、それから何日も、家中に重く垂れ込めていた」と…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第5章後半)

モリーが呼びかけた。 「ハリー? あなたが本物のハリー? 何があったの? ほかのみんなは?」 このせりふから、ハリーより早く着く予定だった人たちがここへ着いていないことがわかる。ハリーも即座にそれを理解したようだ。 「ほかには誰も戻っていないの…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第5章前半)

自分が地面に落ちたことはわかったが、いったん姿を見せたヴォルデモートが消えた理由がわからず、ハリーはとまどっていた。近くにハグリッドが倒れているのが見えたので、ハリーはよろめきながら近づいた。そのとき、「誰かね? 君はハリー・ポッターか?」…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第4章後半)

ハリーはヘドウィグが入っている鳥かごとファイアボルトとリュックサックを手に、オートバイにとりつけたサイドカーの中にいた。乗り心地がとても悪かった。 なぜリュックサックを背中に背負わなかったのか不思議だ。マグルの世界でも、災害にあって避難する…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第4章前半)

ダーズリー家の三人とふたりの魔法使いは、バーノンが運転する車で走り去った。 ここで、ハリーが思い出にふけるところがあるのだが、ダーズリー親子の留守にハリーがけっこう勝手なことをしていたことが描写される。冷蔵庫からおいしそうなものを取って食べ…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第3章)

第3章はハリーとバーノンのやりとりから始まり、ダーズリー家の三人が自宅を去るところから始まる。 ダーズリー家の三人は、ハリーを引き取ったばかりにこれまでいろいろな目にあってきた。そしてとうとう、住み慣れた自宅を去ることになった。 一年後には…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第2章)

舞台はダーズリー家に移る。 「あと四日間も魔法が使えないなんて、ばかげている」と書かれているから、今は7月26日か27日なのだろう。 ハリーは右手を怪我していた。トランクの中身を整理していて、ガラスの破片で右手を切ったのだ。 「傷の治し方など習っ…

ハリー・ポッターと死の秘宝(第1章)

第一章は、マルフォイ邸に近い小道を舞台に始まる。小道にヤックスリーとスネイプが同時に姿あらわしする。ふたりともとっさに相手に杖を向けるが、相手が誰かわかると杖をおろし、短い会話をかわす。 小道の描写に「左側には茨の灌木がぼうぼうと伸び、右側…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第30章)

校長の横死という事件をうけて、「授業はすべて中止され、試験は延期された」と書かれている。 授業の中止はわかるが、延期された試験はいつやるのだろう? 夏休みが済んでから実施されるのだろうか。これについては何の記述もないので、わからないままだ。 …

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第29章後半)

ウィーズリー夫妻とフラー・デラクールがいっしょに来たということは、フラーはウィーズリー家にいたのだろう。 ビルは意識のないままベッドで寝ている。 「ビルはどうなりますか?」とアーサー・ウィーズリーはマクゴナガルに聞く。マクゴナガルはルーピン…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第29章前半)

ジニーにうながされて、ハリーはダンブルドアのそばを離れた。ハリーを医務室に連れて行くようにと、ジニーはマクゴナガルに指示されていたのだ。 歩きながら、ジニーは騎士団仲間の安否を話した。27章で「誰かの死体をまたいだ」とドラコが言っていたが、そ…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第28章後半)

ハグリッドの小屋は燃えていたが、愛犬ファングは無事に助け出されていた。 ハリーはハグリッドの小屋の火を消そうと、アグアメンティの呪文で水を出した。ハグリッドはいつも持っているピンクの傘を構えて、同じ呪文を唱えた。傘の先から水が飛び出した。 …

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第28章前半)

ダンブルドアが塔から落ちるのを確認したスネイプは、ドラコをうながしてすぐに出ていった。グレイバックとカロー兄妹が続いた。もうひとりの死喰い人がそのあとを追って出ていこうとしたとき、ハリーはとっさにペトリフィカス・トルタスの呪文をかけた。 ハ…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第27章後半)

ドラコがダンブルドアを追い詰めたとも見えるこの場面だが、ダンブルドアの態度には余裕が見える。 ドラコに「我々の側に来るのじゃ。我々は、きみの想像もつかぬほど完璧に、きみを匿うことができるのじゃ」と誘いかける。母親もすぐ保護しようという。 し…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第27章前半)

この章のタイトルは「稲妻に撃たれた塔」だ。 「塔」というのは、この章の主な舞台である天文台の塔を指す。城でいちばん高い塔だと書かれている。 「稲妻」は出てこないけれど、スネイプが放つ死の呪文のことだろうか。それとも、初めてホグワーツ城内に入…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第26章後半)

水盆の液体をていねいに調べていたダンブルドアは、ハリーに命令する。自分が嫌がっても、無理矢理最後までこの液体を飲ませ続けるようにと。 ダンブルドアがこの液体を取り除く方法をどのようにして知ったのか、まったく書かれていない。物語はハリー目線で…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第26章前半)

ダンブルドアの推測によると、こども時代のトムは、孤児院のこどもたちをここへ連れてきた。怖がらせて楽しむためだ。 13章で孤児院院長のミセス・コールは「夏の遠足のとき--ええ、一年に一回、子どもたちを連れていくんですよ。田舎とか海辺に--それで…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第25章後半)

トレローニーは、ホグワーツの教師に応募して面接を受けたときのことを、ハリーに話し始めた。 最初、ダンブルドアは占い学に乗り気ではないようだった。話している途中でトレローニーは変な気分になった。 そのとき、スネイプが邪魔をした。扉の外で騒ぎが…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第25章前半)

ハリーとジニーはおおっぴらにつき合うようになった。ハリーはとても幸せだった。 6月に入り、ジニーはOWL試験の準備で忙しくなったが、それでも時間を見つけてふたりはデートしていた。 そんなある日、ハーマイオニーはプリンスの教科書のことを蒸し返して…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第24章後半)

「レイブンクロー戦の数日前、ハリーはひとりで談話室を出て、夕食に向かっていた。ロンは、またしてもゲーゲーやるのに、近くのトイレに駆け込み、ハーマイオニーは、前回の『数占い』のの授業で提出したレポートに間違いがあったかもしれないと、ベクトル…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第24章前半)

「翌朝の『呪文学』のクラスで、ハリーは、ロンとハーマイオニーに一部始終を話して聞かせた(その前に近くの生徒たちに『耳塞ぎ呪文』をかけておいた」と書かれている。 授業中に私語をする場面はけっこうあるが、そのたびにわたしは不愉快になる。何も授業…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第23章)

ハリーはスラグホーンの記憶を手に、寮に戻ろうとした。 しかし、寮の入り口を入ろうとしたとき、ゴーストのニックがやってきて、ダンブルドアが一時間前に校長室に戻ったと知らせてくれる。 ハリーは校長室へ走った。合言葉を言うと、ガーゴイルがとびのい…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第22章後半)

「幸運の薬」がイギリスの伝承にあるものなのか、それともローリングさんの独創かはわからない。もし伝承上に存在するとしても、かなり性格の違うものではないだろうか。 この作品では、フェリックス・フェリシスを飲むとまず自信満々な気持ちになる。そして…

ハリー・ポッターと謎のプリンス(第22章前半)

夏のある日、三人が中庭にいたとき、ハグリッドから手紙が届いた。 見知らぬ女子生徒が届けにきた。なぜふくろうを使わなかったのだろう。「賢者の石」では、ハグリッドの手紙をヘドウィグが運んできたが。 手紙の内容は、アクロマンチュラのアラゴグが昨夜…