2017-01-01から1年間の記事一覧

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第35章後半)

六人がふたたびいっしょになれたものの、ハーマイオニーは何かの呪文で気絶させられ、ジニーはかかとが折れて歩けず、ロンは精神錯乱のような状態になっている。 この部屋から出ようと扉のひとつに近づいたとき、別の扉から三人の死喰い人が飛び込んできた。…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第35章前半)

「どこからともなく周り中に黒い人影が現れ、右手も左手もハリーたちの進路を断った」と、この章のはじめに書かれている。棚と棚の間の空間はけっこう広いようだ。ハリーたちは十数人に囲まれていた。 ルシウスが「私に渡せ」と手を差し出した。 ハリーが「…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第34章後半)

ハリーが何度も夢に見た廊下の光景は、ヴォルデモートが見せたものだった。 ヴォルデモートはここへ来て実際に見たのだろうか。それとも、魔法省の中を知る誰かの記憶から、この廊下の外見を知ったのだろうか。 おそらく、神秘部のルックウッドの記憶を見て…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第34章前半)

ハリーとネビルはさっさとセストラルに乗ったが、ハーマイオニーとロンとジニーはぽかんとしている。セストラルが見えないから、当然なのだ。 ルーナが手伝って3人をそれぞれセストラルに乗せ、たてがみをしっかりつかむようにと説明した。 ハリーが「ロン…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第33章)

ハーマイオニーは、城の敷地内を迷わずスタスタと歩いていく。ハリーには、彼女が何をたくらんでいるのかさっぱりわからない。しかし、わかっているふりをしなければならない。 ハグリッドの小屋が近づいたとき、アンブリッジとハーマイオニーがこんなやりと…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第32章後半)

アンブリッジの部屋の暖炉に頭をつっこんで「グリモールド・プレイス12番地!」と唱えると、ハリーはめまいのようなものを感じた。めまいが止まったとき、ひざは元の床に付いたままで、顔はブラック邸の暖炉の中から厨房を見ていた。 「シリウスおじさん!」…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第32章前半)

試験監督のトフティ教授は、ハリーの異変を「試験のプレッシャーによるもの」と判断した。おそらく、過去にも試験のプレッシャーで一時的な精神異常をきたした生徒がいたのだろう。 ハリーはトフティ教授をふりきって部屋の外へ出ると、全速力で走って医務室…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第31章後半)

試験の描写のあと「二時間後」と書かれているから、試験は一課目二時間だったことになる。 ハーマイオニーが、問題の答をひとつひとつ確認し始めるのを、ロンがさえぎる。いつものことだ。 昼食後は、同じ呪文学の実技試験だった。 数人ずつ呼ばれ、小部屋に…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第31章前半)

ロンの活躍でグリフィンドールが勝ち、しかもこの試合で優勝が決まった。 「ロンは有頂天で、次の日は何も手につかないありさまだった。試合の一部始終を話したがるばかりで、ハリーとハーマイオニーは、グロウプのことを切り出すきっかけがなかなかつかめな…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第30章後半)

弟の話し相手になってほしい、というのがハグリッドの依頼だった。 「透明マントを着て、一週間に一度ぐれえかな、こいつとしゃべってやってくれ」 これまで遠回しな表現でしか言わなかったハグリッドの依頼が、やっと具体的になった。 ハリーはすでに約束し…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第30章前半)

フレッドとジョージの逃走のあと、生徒たちのはじけぶりの描写は楽しい。本筋にあまり関係のないこういう細かい描写がていねいなのも、この作品の特長のひとつだ。 中に「誰かがこっそりアンブリッジの部屋にニフラーを忍び込ませ…」と書かれているが、その…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第29章後半)

「卒業後、何をしたいか、考えがありますか」 マクゴナガルの質問に、「闇払いはどうかなあと」と、ハリーはモゴモゴ答える。 ハリーは、これこれになりたいというはっきりした希望はなかったのだ。思いつくのが闇払いぐらいだったのだろう。 それには、NEWT…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第29章前半)

ハーマイオニーは、ハリーが閉心術の練習をする必要性をきちんと理解していたので、ハリーがそれをやめた理由をしつこく聞いた。 しかし、ハリーは本当のことを言えなかった。 スネイプが隠したがった記憶を覗いたこと自体、卑劣な行為だから、正義感の強い…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第28章後半)

ハリーはチョウに対して腹を立てたまま、スネイプの研究室に入った。 ハリーが閉心術の訓練に来るたび、この部屋にペンシーブがあるのを見ている。今日は、スネイプが自分の「思い」を取り出してペンシーブに入れているところだった。ハリーがスネイプの心を…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第28章前半)

第28章のタイトルは「スネイプの最悪の記憶」となっている。 そして、この章までを読んだ段階では、学生時代のスネイプが衆人環視の中ではずかしめを受けたことが、彼の最悪の記憶なのだと納得してしまう。 なぜ「最悪」だったのかがわかるのは「死の秘宝」3…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第27章後半)

校長室に連れてこられたハリーに、ファッジが尋ねる。 「どうしてここに連れて来られたのか、わかっているだろうな?」 ハリーは「はい」と答えようとしたが、ダンブルドアがわずかに頭を振ったのに気付き、「いいえ」と答えた。 ダンブルドアの意図はわから…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第27章前半)

トレローニーが解雇されたあとの占い学の授業は、一階の教室で行われることになった。 使われていない倉庫のような部屋だったはずだが、今は森の空き地のまっただ中というふうに見えた。床はこけがふかふかに生えて、部屋の中なのに樹木が生えていた。ダンブ…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第26章後半)

グリフィンドール寮に戻ると、ハリーは英雄扱いされた。 他の寮ではどうだったのだろう? グリフィンドール寮と同じではなかったと思うが、どの寮でもハリーへの見方が変わったことは確かだろう。 寝室に入り、眠りについたハリーは、ヴォルデモートになった…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第26章前半)

「リータは事細かに聞き出そうとハリーに迫ったし、ハリーも…」という記述は興味深い。 ハーマイオニーに脅迫され、ザ・クィブラーに報酬なしで記事を書くことは、リータにとって気の進まない仕事だったはずだ。しかしいったん筆を動かし始めれば、読者が満…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第25章後半)

ハリーがチョウ・チャンとデートを約束したバレンタインデーがやってきた。 朝食の席で、ハーマイオニーはどこからかの手紙を受け取り、「やっと来たわ。もし今日来なかったら…」とつぶやいた。あとでわかるが、リータ・スキーターからの返信だった。 手紙を…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第25章前半)

ハーマイオニーは日刊予言者新聞を購読している。 ハリーがヴォルデモートの歓喜を感じた翌朝の新聞に、アズカバンから10人の囚人が脱獄したというニュースが載っていた。 「10人」と書かれているが、名前まで記述されているのは3人だけだ。アントニン・ド…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第24章後半)

クリスマス休暇明けが1月の何日になるのか、わたしは知らない。 ただ、スネイプの最初の個人授業が月曜日の6時に行われることが、ブラック邸の場面のスネイプのせりふからわかっている。ホグワーツに戻った次の日がスネイプの個人授業だったというから、戻…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第24章前半)

章の最初に「クリーチャーが屋根裏部屋に潜んでいたことは、あとでわかった」と書かれている。 実際にはマルフォイ邸に行っていたのだが、屋根裏部屋でブラック家の形見の品を探していたのだろうとシリウスは言った。 「シリウスはこの筋書きで満足していた…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第23章後半)

クリスマスの朝になった。 クリスマス・プレゼントのあれこれが描写されている。ストーリーに直接関係はないのだが、読んでいるとけっこう楽しい。 そこへフレッドとジョージが、姿あらわしでハリーの部屋に入ってきた。パーシーがセーターを送り返してきた…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第23章前半)

章タイトルは「隔離病棟のクリスマス」だ。 読み始めには、アーサーの病棟のことかと思っていたが、実はロックハートやロングボトム夫妻が入院している病棟のことだったと、後半でわかる。 病院から、地下鉄でグリモールド・プレイスへ戻る途中、ハリーは恐…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第22章後半)

やかんのポートキーを使って、ハリーとロン、フレッド、ジョージ、ジニーはグリモールド・プレイスの地下の厨房へ移動した。 グリモールド・プレイスにはさまざまな保護呪文がかけてあるはずだが、ポートキーで屋内へ入り込むことができるのだ。もちろん、他…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第22章前半)

ハリーとロンは、マクゴナガル先生に連れられて校長室へ向かった。 校長室へ入る合言葉は「フィフィ フィズビー」になっていた。「秘密の部屋」11章では「レモン・キャンディー」だった。校長室の合言葉はお菓子の名前になっていて、時々変えるのだろう。 部…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第21章後半)

十二月になって、クリスマス休暇が近づいてきた。 ここで、ロンの尊大な監督生ぶりと、ハーマイオニーの「勘違い屋敷妖精支援」が描写される。こういうところ、原作者は容赦ない。主要な登場人物の長所も書くが、欠点もちゃんと書いていく。ストーリーに直接…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第21章前半)

この章の原題は The eye of the snake となっているが、なぜ eye が単数なのかわからない。何か意味があるのだろうか。 次の日は日曜で、ハーマイオニーはひとりでハグリッドの小屋へ行った。ハリーとロンは宿題のため寮に残っていた。 戻ってきたハーマイオ…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第20章後半)

戸をドンドン叩く音が聞こえ、窓にずんぐりした人影が映った。 アンブリッジだと気づいたハリーたちは、透明マントをかぶり、マグを隠すようにとハグリッドに言う。ハグリッドは事態がよく理解できないまま、ハリーとロンがお茶を飲んでいたマグを隠した。た…