2017-01-01から1年間の記事一覧

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第20章前半)

ハグリッドが戻ってきたと聞き、ハリーは大急ぎで談話室から寝室へ行って、透明マントと忍びの地図をとってきた。ハーマイオニーも、コートやマフラー、手袋。毛糸の帽子を身につけてきた。スコットランドの11月は寒いのだ。(本編には「スコットランド」と…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第19章後半)

ハリーがスニッチを取ったので、40対160で試合は終わった。 前にも書いた気がするが、クィディッチのルールをわたしが不自然に思う理由は、シーカーと他の選手の重みのアンバランスだ。シーカーがスニッチを取るだけで、他の選手の動きがどうあろうと150点も…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第19章前半)

「ライオンと蛇」という章タイトルを見たとき、何のことだかわからなかった。蛇がスリザリンの象徴だという知識は頭の中に残っていたが、グリフィンドールの象徴がライオンだということを忘れていた。この章は、グリフィンドールとスリザリンのクィディッチ…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第18章後半)

「ドビーはハリー・ポッターをお助けしたいのです」 そう言うドビーに、ハリーは「28人が防衛術を練習できて、先生に見つからない場所を探している」と打ち明ける。 「ドビーはぴったりな場所を知っております」と即答するドビー。屋敷妖精の間では「あった…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第18章前半)

シリウスと話した翌日の呪文学の時間、ハリーとロンとハーマイオニーは昨夜のことを話し合っていた。 「人や物がさかんに動いているので、盗み聞きされる危険性はほとんどなかった」と書かれているが、不自然だと思う。いくらまわりがやかましくても、またガ…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第17章後半)

ハリーはヘドウィグをグラブリー=プランク先生に預けて、元の場所に戻った。もう授業は終わっていて、ロンとハーマイオニーが待っていた。 ハーマイオニーはすでに、誰かがヘドウィグの手紙を奪おうとして乱暴したのだと推理していた。 「封もしてあるし」…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第17章前半)

10月の最初の土曜日にホッグズ・ヘッドで集まったあと、「残りの週末を、ハリーは今学期始まって以来の幸せな気分で過ごした」と書かれている。 チョウ・チャンがみんなの前でハリーをほめてくれたこと、ハーマイオニーが「チョウったら、あなたを見つめっぱ…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第16章後半)

名前がわからなかった生徒たちの名前を、少し先走るが書いておこう。 ハッフルパフの金髪の男子生徒は、ザカリアス・スミスと名乗った。 ハッフルパフの女生徒で、長い三つ編みを一本垂らしているのはスーザン・ボーンズだった。魔法省のアメリア・ボーンズ…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第16章前半)

「アンブリッジがまともな授業をしないので、ハリーが他の生徒に実技を教える」とハーマイオニーが提案して二週間が過ぎた。 その間、ハーマイオニーはこの話題に触れなかったとさりげなく書かれている。ハーマイオニーはハリーの中で考えが熟すのをじっと待…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第15章後半)

ハリーは二週目の罰則にも耐え、泣き言を言わなかった。アンブリッジの前で泣き言を言わないことも、この罰則をロン以外の誰にも話さないことも、ハリーの意地だった。気が短いくせに、こういうところは頑固なのだ。このハリーの性格描写には、一分の隙もな…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第15章前半)

パーシーから手紙が届いた翌朝、日刊予言者新聞には、「魔法省、教育改革に乗り出す ドローレス・アンブリッジ、初代高等尋問官に任命」という記事が載った。 この記事を読むと、空席を埋める教師を校長が見つけられなかった場合には魔法省が教師を送れると…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第14章後半)

翌日の日曜日、ハリーとロンが談話室で宿題の続きをやっているとき、ハーマイオニーが窓を指さした。コノハズクが窓にとまっている。パーシーのふくろう、ヘルメスだった。 生徒への手紙類は朝食の時間に大広間へ届くが、こんなふうに寮に直接来ることもある…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第14章前半)

五年生の最初の一週間が過ぎ、土曜日になった。 そういえば、新学年の始まりは9月1日と決まっている。「不死鳥の騎士団」は1995年から1996年のできごとなので、リアル世界の9月1日は金曜日だ。しかしこの物語の中では、学期はじめのパーティの翌日が月曜…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第13章後半)

魔法生物飼育学の授業が終わり、次の授業のためハリーたちは温室へ向かった。 温室からジニーとルーナが出てきた。ルーナは、ヴォルデモートが戻ってきたというハリーを信じていると断言してくれた。 ここでハーマイオニーが「ジニーがあの子のことをいろい…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第13章前半)

ハリーが授業中にアンブリッジと口論した話は、すぐにホグワーツ中に広まった。夕食の席で、他の生徒たちがあからさまにハリーの噂をした。ハリーがヴォルデモートと対決したことも、セドリックがヴォルデモートに殺されたことも、生徒たちは信じていない。…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第12章後半)

話は少し戻るが、この日の朝食の会話の中に注目してよいせりふがある。 ストーリーに直接関係はないが、ホグワーツの時間割について、ロンがこう言っているのだ。 「『魔法史』、『魔法薬学』が2時限続き、『占い学』、『闇の魔術防衛』…(中略)これで一日…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第12章前半)

新学期のパーティの翌日、シェーマスとディーンは気まずい雰囲気のまま、さっさと寝室を出ていった。 ハリーとロンは談話室でハーマイオニーに会い、話しながら大広間へと向かう。ハーマイオニーは、同室のラベンダー・ブラウンもやはり、ハリーを嘘つきだと…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第11章後半)

ダンブルドアの話が続いているのに、アンブリッジが咳払いをして立ち上がる。 ダンブルドアは一瞬おどろいたようすを見せたが、すぐに座った。他の教師たちは不機嫌な表情を見せたが、抗弁はしなかった。 アンブリッジは「ホグワーツに戻ってこられて、ほん…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第11章前半)

馬車の中で「ハグリッドが辞めるはずがないわよね?」と言うジニーに、ルーナが「辞めたらあたしはうれしいけど」「あんまりいい先生じゃないもん」と返す。 このとき、ハリー・ロン・ジニーが「いい先生だ!」と言い返し、ハーマイオニーだけが黙っているの…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第10章後半)

ホームで「一年生はこっちに並んで!」と叫んでいたのはいつものハグリッドではなく、グラブリー・プランク先生だった。「炎のゴブレット」24章で、ハグリッドに代わって授業をした老魔女だ。 グラブリー・プランクは、この物語ではハグリッドの代理をつとめ…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第10章前半)

9月1日がきた。 ブラック邸からキングズ・クロス駅まで、ハリーたちは護衛つきで移動した。徒歩で20分。つまりブラック邸は、キングズ・クロス駅からかなり近い位置、つまり都心にあったのだ。魔法使いの屋敷が町のど真ん中にもあり、先祖代代住んでいるこ…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第9章後半)

夏休み最後の日、教科書のリストが届いた。 「普通はもっと早く来るんだけど……」とロンが言う。 確かに、これまではもっと早くに教科書のリストが届いていた。この年に限ってなぜこんなにギリギリになったのだろう。 ブラック邸に保護呪文がかけられているか…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第9章前半)

ハリーが法廷の外へ出ると、扉のすぐ外にアーサーがいた。 「ダンブルドアは何も言わ…」 「無罪だよ」 このやりとりは納得できない。いや、正確に言えば、このときのダンブルドアの態度は納得できない。 ダンブルドアの秘密主義は、「賢者の石」冒頭ですでに…

ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第8章後半)

ファッジは証人の存在を無視しようとしたが、ダンブルドアは「被告は証人を呼ぶ権利があるはずだ」と、アメリア・ボーンズを名指して同意を求める。ボーンズは「まったくそのとおり」と同意する。 7章でトンクスが「アメリア・ボーンズは公平な魔女だから、…