ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第19章後半)

ハリーがスニッチを取ったので、40対160で試合は終わった。
前にも書いた気がするが、クィディッチのルールをわたしが不自然に思う理由は、シーカーと他の選手の重みのアンバランスだ。シーカーがスニッチを取るだけで、他の選手の動きがどうあろうと150点も入り、しかも試合が終わってしまうとは。

負けたはらいせなのか、ドラコはハリーに向かってロンの家族の悪口を並べる。まずロンの家を、そしてロンの母と父をけなす。
アンジェリーナが「負け犬の遠吠えよ」「放っときなさい」と押さえにかかったが、ハリーはジョージといっしょにドラコにおそいかかった。「マルフォイの体のどこそこかまわず、当たるところを全部なぐった」と書かれている。
「炎のゴブレット」37章の列車の中でも、悪口を言うドラコたちに、ハリーたち三人組とフレッド・ジョージは術をかけて気絶させている。ドラコは口だけなのに、ハリーたちが先に手を出すケースが多い。
今度の場合も、試合が終わっているのにハリーにブラッジャーをぶつけたクラッブを殴るのなら、お互い様だから許せるけれど。

「まっすぐ寮監の部屋に行きなさい」とマダム・フーチに命じられ、マクゴナガルの部屋に向かった。
マクゴナガルにはすでに話が伝わっているようだった。守護霊で伝言を送ったのだろうか。それとも、物語に書かれていない伝達方法がほかにもあるのだろうか。

マクゴナガル先生がハリーとジョージに説教を始めようとしたところへ、アンブリッジがやってくる。
一週間の罰則を言い渡すマクゴナガルに、アンブリッジが「このふたりは罰則以上のものに値すると思いますわ」と言い出す。
ここで、グリフィンドールのクィディッチ・チームの再結成の許可が出たいきさつがわかる。アンブリッジは許可をしぶっていたが、マクゴナガルがダンブルドアに訴えて許可が出るようにした。それが不満だったアンブリッジはファッジに訴え、「高等尋問官は、生徒の処罰をする権限も、他の教師が命じた処罰の変更をする権限も持つ」という命令を出させたのだ。

アンブリッジの命令で、ハリー・フレッド・ジョージはクィディッチを禁止された。
ハリーにはもちろん大きな打撃だが、ここを読んでいて、わたしはそれほどアンブリッジをひどいと思わなかった。ハリーとジョージは実際に暴力を振るったのだし、フレッドもアンジェリーナたちに押さえられていなければ同じだっただろう。
しかし、アンジェリーナやアリシアやケイティはあまりにも気の毒だと思う。
ロンも可哀想ではあるが、わたしはあまり同情できない。スポーツでは精神力も実力のうちだと思うからだ。ただ、そんなロンを選んだハリーにも任命責任はある。
あ、ロンが選ばれたのは、ハーマイオニーの呪文のせいだった。ハーマイオニーもロンの性格を知っていたのに。

寮に戻って、ロンとハリーが話していたとき、窓の外を見ていたハーマイオニーがニコニコして言う。
「ハグリッドが帰ってきたわ」
今は11月だ。ハグリッドが7月に出発したのなら、4ヶ月以上留守をしていたことになる。