2018-01-01から1年間の記事一覧
どうやったらスラグホーンから記憶を引き出せるか。 ハリーは答を求めて、プリンスの教科書の書き込みをさがす。問題は呪文や魔法でなく、スラグホーンの心情に訴えることだとハーマイオニーは理解しているが、肝心のハリーにはそれがわからない。 プリンス…
ダンブルドアはもうひとつのクリスタルの瓶をとりあげ、ペンシーブに入れた。ダンブルドア自身の記憶だという。 ペンシーブの中は、今と同じ校長室で、今より少ししわが少ないダンブルドアがいた。窓の外は雪が降っていた。 ドアを叩く音がして、ヴォルデモ…
ロンが毒入りのはちみつ酒を飲んで危険な目にあったおかげで、ロンとハーマイオニーの仲直りが実現した。 そしてハリーの怪我のおかげで、ジニーはつきあっていたディーン・トーマスと仲違いした。マクラーゲンがハリーにブラッジャーをぶつけたのをディーン…
この章はホグワーツの医務室、夜の場面から始まる。 ロンは医務室のベッドで眠っている。まわりにハリー、ジニー、フレッド、ジョージ、ハーマイオニーがいる。彼らの会話から、前章のできごとのあと何があったかがわかる。 この日の朝、ハリーがベアゾール…
ハリーはドラコが何かたくらんでいると確信し、忍びの地図で彼の行動をさぐろうとするが、彼はしょっちゅう地図から消える。 あとでわかるが、ドラコは必要の部屋に入り浸って、姿をくらますキャビネットの修理に熱中していたのだ。 3月1日の朝。目が覚め…
ハーマイオニーとロンがお互いに反目したままだったので、ハリーはふたりに別々に、ダンブルドアの宿題を話した。スラグホーンから、トム・リドルとのやりとりの正確な記憶を手に入れることだ。 ロンはこの問題を安易に考えていたが、ハーマイオニーは「一筋…
クリスマス休暇が明けた。 生徒たちがホグワーツに戻る日は「年が明けて数日がたったある日の午後」と書かれている。クリスマス休暇は、日本の学校の冬休みとほぼ同じ長さなのだろう。 一年前のクリスマス休暇明け、ハリーたちはナイトバスでグリモールド・…
舞台は前章から一転、ウィーズリー家の台所になる。クリスマス休暇でハリーはウィーズリー家に居候しているのだ。 貧乏なウィーズリー家にとって、ハリーが居候するのは迷惑じゃないのだろうか。 わたしは、なぜハリーが自分の食費を払うことを申し出ないの…
「クリスマスが駆け足で近づいてくる。ハグリッドはすでに、例年の大広間用の12本のクリスマス・ツリーを…」と書かれている。 この物語には、宗教はいっさい出てこない。神やキリストは魔法の世界と相容れないのだろう。しかし、クリスマスの行事はしっかり…
第二回の個人授業の明くる日、最初の授業は薬草学だった。ハリーは温室へ行く途中、ハーマイオニーとロンに、孤児院時代のトム・リドルの話を聞かせた。 薬草学の授業の描写は楽しい。魔法植物の扱い方などは本筋にあまり関係ないが、そういう細かい描写もこ…
ハリーはダンブルドアの記憶の中に入った。 「若いダンブルドアの長い髪と顎髭は鳶色だった」と書かれている。ヨーロッパの小説では、人物の描写に目の色や髪の色が書かれることが多いのだ。 場所はロンドン。ダンブルドアはみすぼらしいが清潔な建物に入っ…
ダンブルドアの最初の個人授業は、年度始めのパーティから一週間たたないうちだった。 9章の彼の手紙に「土曜日に個人教授を始めたいと思う。午後8時にわしの部屋にお越し願いたい。今学期最初の一日を、きみが楽しく過ごしていることを願っておる」と書か…
ホグワーツ校とホグズミード村を結ぶ通りは、ハイストリート通りと呼ばれている。 ホグワーツの正門から村の入り口まで、どのくらいの距離を歩くのだろうか。具体的には書かれていないが、1キロメートル弱というところだろうか。 また、原作者が映画撮影の…
ハリーは策略をめぐらして手元に残した「上級魔法薬」の教科書を読んでいた。 「ふだんは、ベッドに横になって教科書を読んだりはしなかった。(中略)ハーマイオニー以外の者がそういう行動を取るのは不道徳であり、ハーマイオニーだけはもともとそういう変…
六年生になって、どの課目の勉強もきびしくなった。宿題がどっさり出され、多くの科目で無言呪文が要求された。しかしハリーにとって魔法薬学だけは楽だった。プリンスの教科書の書き込みにしたがっていればうまくいったからだ。 ハリーはこの年度、クィディ…
ダンブルドアとハリーは、ペンシーブを出て校長室に戻ってきた。 ゴーント一家はその後どうなったのか、ダンブルドアは話して聞かせる。オグデンは姿あらわしで魔法省に戻り、他の役人といっしょに15分後に戻ってきた。この15分後というのがおもしろい、瞬間…
プリンスの教科書を手にして一週間。ハリーは教科書の書き込みのとおりに魔法薬を調合した。書き込みはしばしば、教科書の指示と違っていたのだ。それがすべてうまくいき、こんなに才能のある生徒はめったにいないとスラグホーンはほめた。 ハーマイオニーは…
魔法薬学の教室に入ると、生徒は12人だった。 昨年度まではスリザリンとの合同授業だったが、六年生では四つの寮が全部いっしょに授業を受ける。スリザリンが4人、レイブンクローが4人、ハッフルパフがひとり、そしてグリフィンドールがハリーたち3人。 …
次の日、談話室。ロンは一年生にかみついたり、ハーマイオニーが規則違反の生徒からとりあげたおもちゃを横取りしたり、やりたい放題だ。監督生の地位を利用していばりながら、自らは違反のおもちゃを喜んでいる。それも他人のものを横取りして。 ところで、…
ペトリフィカス・トルタスの呪文は、相手の自由を奪う。「ハリーは筋一本動かせなかった」とあるが、これは「毛筋一本…」という表現を翻訳者が間違って覚えていたのだろう。まともな出版社なら、編集者や校正担当者が気づいて直すところだ。 声すら出せなく…
スラグホーン教授の手紙は「紫のリボンで結ばれた羊皮紙の巻き紙」と書かれている。日本の時代劇に出てくる手紙も巻き紙が多いと、ドラマの中の手紙を連想してしまった。 このコンパートメントで手紙を受け取ったのはハリーとネビルだが、同じ手紙をほかに何…
この巻のほとんどの時期、ハリーはドラコ・マルフォイにこだわっている。マルフォイがやっていることをつきとめ、マルフォイの弱点をつかもうと必死だ。ほかに大切なことがたくさんあるのに、マルフォイ憎しを優先して行動するハリーのようすは、読んでいて…
ウィーズリー夫妻とジニーは教科書を買いに書店へ向かい、ハリーたち三人はハグリッドといっしょにマダム・マルキンの洋装店にと二手に分かれることになった。 マダム・マルキンの店にはドラコとナルシッサがいた。ハリーがナルシッサを初めて見たのは「炎の…
この章は「それから数週間、ハリーは『隠れ穴』の庭の境界線の中だけで過ごした」という文章で始まっている。ウィーズリー家には何らかの保護呪文がかけられていて、ハリーは外へ出ないように言われたのだろう。それに、いくら軽はずみなハリーでも、ロンも…
ハリーはダンブルドアといっしょに、ウィーズリー家の裏口に立った。 「遠くの鳥小屋から、コッコッと鶏の低い眠そうな鳴き声が…」と書かれている。魔法使いも鶏を飼うことがあるのだ。「炎のゴブレット」や「死の秘宝」では、魔法使いが孔雀を飼っている描…
ダーズリー家を出たダンブルドアとハリーは、プリベット通りを歩いていた。 ここを読んでいて、学期末に校長室で大暴れしたことをハリーがなぜ謝らないのか、不思議だった。「気まずい思い」をしたと書かれているだけだ。こんなふうに、ハリーには何度もイラ…
第3章でやっと主人公ハリーが登場する。それも、最初は第三者視点の描写で始まり、数ページ読むとハリー視点の描写になる。もっともこの切り替えは巧みで、読んでいて違和感はない。 第三者視点の描写は、日刊予言者新聞の記事から始まる。ハリーの部屋に新…
「セブルス、わたしを助けてくださるのは、あなたしかいないと思います。ほかには、誰も頼る人がいません」 ナルシッサのせりふは切ない。 マルフォイ夫妻に親しい友人がいなかったわけではないだろう。しかし姉のベラトリックスも夫のルシウスも含めて、死…
第1章は魔法界とマグル界の関係の一面を描いていて興味深いが、あくまでサイドストーリー。しかし第2章はストーリーに直接かかわる会話がかわされていて、とても重要な場面だ。 この章も、ハリーの知らないエピソードが書かれている。 「首相執務室の窓に…
この章と次の章は、ハリーがまったくあずかり知らないエピソードが書かれている。 ただ、話が夏休みの時期から始まることは今までの巻と同じだ。「7月半ばになろうというのに…」と書かれているので、夏休みの前半の話だとわかる。 場面は、マグルの首相の執…