ハリー・ポッターと秘密の部屋 第4章(後半)

ハグリッドに出会ってダイアゴン横町へやっとたどりついたハリーは、ハーマイオニーに出会い、ロン一家とも再会できた。
そしておどろいたことに、ハーマイオニーの両親がグリンゴッツにいた。マグルの貨幣を両替に来たらしい。
ということは、マグルもダイアゴン横町に入れるのだ。たぶん「つきそい姿くらまし」みたいに、魔法使いといっしょでないと出入りできないのだと思う。そうすると、マグルはホグワーツにも入れるのだろうか? 9と4分の3番線なら、マグルであるペチュニアとその両親がホームにいる描写が「死の秘宝」33章にある。しかしホグワーツは駄目なのかもしれない。ハーマイオニーが石にされたという重大事態の時さえ、両親はホグワーツに来なかったのだから。
ところでハーマイオニーの両親は、たしか「賢者の石」には出てこなかった。つまりここが初登場だ。そして、名前は最後までわからない。

フローリシュ・アンド・ブロッツ書店では、ロックハートがサイン会をやっていた。行列ができていて、彼の人気がわかる。同時に作者は、彼が自己顕示欲の強い軽薄な人間であることも、きちんと描写している。ハーマイオニーがそれに気づかないのはもどかしいが、賢いハーマイオニーにもミーハーな一面があることは、ある意味ほっとさせられる。
ロックハートホグワーツの教師になることをみんなの前で発表する。

ルシウスとアーサーが出会い、ルシウスはちくちくと嫌みを言ってアーサーの貧乏をからかう。アーサーは腹を立ててとびかかり、ハグリッドに引き分けられる。
ここを読んでいて、わたしはアーサーの方が悪いと思った。相手の挑発に乗って先に手を出すなんて。何度目かに読み返した時、「死の秘宝」で11歳のスネイプが言った「君が頭脳派より肉体派がいいならね」というせりふを思い出した。ルシウスは頭脳派、アーサーは肉体派だ。

けんかの直後、「マルフォイ氏の手にはまだ、ジニーの変身術の古本が握られていた。目を妖しくギラギラ光らせて、それをジニーの方に突き出しながら・・・」とある。
あとで考えれば、この時、リドルの日記をいっしょに渡したのだ。

この章の最後の2行、ハリーが眼鏡をはずしてポケットに入れるくだりがおもしろい。煙突飛行粉による移動で眼鏡がこわれたので、帰りは用心したというわけだ。