ハリー・ポッターと秘密の部屋 第6章(前半)

新学期2日目の朝、ハリーは「吼えメール」の存在を知る。赤い封筒で、開封したとたんに、大声で叫ぶ手紙だ。ハリーとハーマイオニーは知らなかったが、ロンとネビルは見た瞬間にそうとわかった。魔法界では知られているのだろう。吼え終わったら燃え上がって灰になると書かれているから、再生一回限りの録音装置というところか。
吼えメールを聞いて、ハリーは申し訳なさで胃が焼けるような思いだったと書かれている。前章でスネイプが、ロンの父の立場を皮肉っていたのに、嫌いなスネイプだからその時は聞き流していたのか?
わたしはこの時点では、スネイプの秘めた過去をまだ知らなかった。それでも、「スネイプに言われた時は平気で、モリーの吼えメールでやっと反省」なんて遅すぎる、と思った。

最初の授業は温室だった。
温室から暴れ柳が見えて、包帯をしてあるという描写にびっくりした。木にも包帯をするのか? ま、動物よろしく自分で枝を動かす木だけれど。

スプラウト先生は機嫌が悪かった。ロックハートが知ったかぶりをしたからだろう。このあと、ロックハートが他の教師たちに嫌われている描写が何度か出てくるが、これが最初だ。

薬草学の授業はハッフルパフとの合同で、3号温室だった。スプラウト先生は鍵を取り出してドアを開けた。一年生の時の授業は1号温室だったと書かれているので、3号温室にはより危険な植物があって、それで鍵も必要なのだろう。
授業はマンドラゴラの植え替えだった。この日に苗だったマンドラゴラは、このあとストーリーに深くかかわってくる。石にされた犠牲者たちを元に戻すための回復薬の材料になるのだ。

4人ひと組で作業をする時、ハリーたち3人に加わったのはジャスティンというハッフルパフ生だった。イートン校に行くことが決まっていたこと、家族がマグルだということがわかる。この時の会話が、のちにハリーへの疑いをいっそう強めることになるのだ。

薬草学の授業が終わった時にはみな汗と泥にまみれていた。「みんなダラダラと城まで歩いて戻り、さっと汚れを洗い落とし…」と書かれている。城のどこかにシャワー室があるのだろう。それともみんな寮まで戻って着替えたのかな?