ハリー・ポッターと秘密の部屋 第6章(後半)

薬草学の次は変身術の授業だった。折れたロンの杖はテープで修理されていたが、使い物にならないことが授業の中ではっきりする。
ここで出てくる「スペロテープ」って、何のことだろう。原文では Spellotape、大文字で始まっている。「呪文」を意味する spell とtape をくっつけた造語らしい。魔法界独特の修理用粘着テープかな。

昼食後、ハリーたちはコリン・クリービーに出会う。
コリンがマグル生まれであること、写真マニアであることが彼のせりふからわかる。「ちゃんとした薬で現像したら、写真が動く」と言っているから、魔法界の写真が動くのは現像液によるらしい。カメラやフィルムはマグルの製品でもかまわないのだろう。

「闇の魔術に対する防衛術」の授業が始まった。
まず自分についてのアンケートを配るロックハート。「ロックハートの好きな色は」とか「ロックハートの誕生日はいつ」とか、愚にもつかない質問ばかりだ。そのあと、ピクシー妖精をかごから放したが、ロックハートは妖精たちを扱いきれず、ハーマイオニーが後始末をした。
ここで読者には、ロックハートのうぬぼれと無能さがよくわかるのだが、聡明なハーマイオニーがそれに気づかずにいるのはもどかしい。あばたもえくぼの心理状態になっているようだ。

ここで、ささやかな疑問。
ロックハートは、どうやってこの妖精たちを捕らえたのだろうか?
授業のときの無能ぶりから見て、彼が自分で妖精を一匹ずつ捕らえてかごに入れたとは思えない。彼の得意は忘却術だけだとあとでわかるのだが、妖精を集めた誰かに忘却術をかけて、獲物をうばってきたのだろうか?