ハリー・ポッターと秘密の部屋 第9章(後半)

前回のブログの最後に「ホグワーツの羊皮紙は、決まった大きさの字しか書けないように『原稿用紙罫の魔法」をかけてあるのだろうか」と書いた。
これを撤回しなければならない。(申し訳ありません!)
ロンのせりふに「ハーマイオニーなんか、もう1メートル40センチも書いたんだぜ。しかも細かい字で」とあり、地の文にも「ロンはできるだけ大きい字で宿題を書きなぐりながら」とあるのだ。
「原稿用紙罫の魔法」は存在しないらしい。そして、宿題で羊皮紙のスペースは決まっていても、文字の大きさは自由なのだ

ハーマイオニーは「秘密の部屋は開かれたり」の文字を見て以来、ホグワーツの「秘密の部屋」の伝説について調べていた。本で見つからないので、魔法史の授業で質問する。
魔法史のビンズ先生がゴーストであること、一本調子で講義をすることは、「賢者の石」8章ですでに語られている。しかし、ビンズ先生が毎回黒板を通り抜けて現れることは、ここで初めて出てくる話だと思う。

ハーマイオニーの質問に対して答えるビンズ先生のせりふから、いろいろなことがわかる。
ホグワーツは千年以上前に創設されたが、正確な年号は不明。寮の名は4人の創始者にちなんでつけられた。「マグルの詮索好きな目から遠く離れたこの地に」城が建てられた。魔法使いが多大な迫害を受けたからだ。マグル生まれを入学させるかどうかでグリフィンドールとスリザリンの意見が食い違い、スリザリンは学校を去った。ここまでが事実。
スリザリンが他の創始者の知らない秘密の部屋をつくり、彼の真の継承者が現れるまで部屋を封印した。継承者は秘密の部屋の恐怖を解き放ち、魔法を学ぶのにふさわしくない者を学校から追放する。そういう伝説はある。過去に何度も探索が行われたが、そんな部屋は見つからなかった。
秘密の部屋のことは伝説に過ぎないと主張するビンズ先生に、シェーマスやパーバティやディーンが反論するが、ビンズ先生は伝説だと言い切る。ここでビンズ先生は、生徒の名前をいちいち間違える。「講義することにだけ興味があり、生徒個人個人には関心がない」ということを示す表現なのだと思う。

ハリーたちは、ミセス・ノリスが襲われた現場を調べていて、クモが変な行動をしているのを見る。
そして、あの時床が水浸しだったことを思い出す。故障中の女子トイレに住むマートルと改めて出会った3人は、ミセス・ノリスが石にされた時に何か気づかなかったと質問するが、マートルは何も知らないようだ。

グリフィンドール寮に戻ったハリーたちは、スリザリンの継承者が誰か、議論を始める。マルフォイが該当するとハリーとロンは言い、ハーマイオニーは慎重に「可能性はあると思う」と答える。
そして、ハーマイオニーはポリジュース薬の説明を始める。スネイプが授業で話したというが、ロンもハリーも覚えていない。
作り方を書いた本は図書室の禁書の棚、そして材料を手に入れるのはむずかしい。
次の章で、ハーマイオニーはこの難題に果敢に挑戦する。