ハリー・ポッターと秘密の部屋 第13章(前半)

章の始めに「ハーマイオニーは数週間医務室に泊まった」と書かれている。本来1時間で元の姿に戻るはずなのに、猫の毛を入れたために数週間も戻れなかった。そこまでの設定にする必要があっただろうか?元に戻るのに丸一日かかったという程度でも、ストーリーの流れには影響がないはずだ。ま、入院中のハーマイオニーにハリーとロンが毎日宿題を届けていたというエピソードは使えなくなるが。

ハーマイオニーが医務室に泊まっているので、彼女も襲われたと誰もが思った、と書かれている。
しかし、どこでどう襲われたのか、ハリーやロンに問いただす生徒も教師もいなかったのか? ここも不自然だと思う。
小説には書かれていないが、マダム・ポンフリーはダンブルドアハーマイオニーの変身を報告しただろう。あれだけ何でも推測できたダンブルドアだから(ジェームズたちがアニメーガスになったことは知らなかったけれど)ハーマイオニーが校則を破ってポリジュース薬を作ったことも察したのではないだろうか。

故障中のトイレの前がまた水浸しになっているのを知り、ハリーとロンは様子を見に行く。そこで、誰かがマートルに本をぶつけ、それをマートルが流し出したと知る。実はぶつけたのではなく、トイレに捨てただけだったのだが。
ハリーはその本を拾う。この巻の最重要アイテムである「リドルの日記」は、こうして18章中13章目でやっと登場するのだ。この物語では、ストーリー上大切なアイテムが遅く出てくることが多い。分霊箱なんて、「謎のプリンスでやっと登場した。

その黒い小さな本を見て、ハリーはすぐに日記だとわかった。それも50年前のものだとわかったというのだから、表紙に「Diary 1943」と書かれていたのだろう。裏表紙には、マグルが住む通りの名前が印刷してある。
そして、最初のページにT.M.iddle と書かれている。それを見て、ロンが「この名前は、50年前に学校から特別功労賞をもらった人だ」と言う。第7章でロンが罰則を受けたとき、この名前の盾をみがいたので覚えていたのだ。マグルの店で買ったもの、つまりこの日記の持ち主はマグル生まれとだとハリーは考える。
ハーマイオニーは、この日記の持ち主がスリザリンの継承者を捕らえて賞をもらったのだろう、と推測する。しかし、日記は白紙のままで、何も書かれていなかった。