ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第13章後半)

夕食のためホールに行く途中、ドラコが新聞記事をかざしてロンをからかう。
ハリーが言い返す。
先に嫌がらせを始めたドラコの方が悪いけれど、ハリーの反撃もあまりほめた言い方じゃないと思った。
ハリーが背を向けたとたん、ドラコが背後から攻撃したが、次の瞬間、ムーディがドラコをケナガイタチに変身させていた。

ここで、ハリーが背を向けた直後に聞こえた「バーン」という音は、ドラコがハリーを攻撃した音だと思われる。しかし呪文が聞こえたという記述はない。まだ四年生の生徒たちに無言呪文が使えるはずがないのだし、呪文の声は杖から出た音に消されたと考えるべきなのだろう。また、この時の呪文が何なのかは結局わからない。作品中に出てこない呪文かもしれない。

「敵がうしろを見せたときに襲うやつは気にくわん」
これは、クラウチJr. の本心かもしれない。あるいは、「ムーディならこう言うはず」とクラウチJr. が考えての発言かもしれない。
ドラコを叱責すれば済むことなのに、動物に変身させて何度も石畳にぶつけることまでしたのは、ルシウスへの反感があったからだろう。クラウチJr. にとっても最も憎いのは、ヴォルデモートを裏切ってのうのうと社会復帰した元死喰い人だと思われるから。
でも、もしそうだとしたら、間違った報復だ。親のしたことであり、ドラコに責任はない。

ドラコがいくら憎らしいといっても、ムーディがやった懲罰はやりすぎだ。
このできごとを単純に喜んでいるロンには不快感を覚えた。
「マルフォイを怪我させていたかもしれないわ」「マクゴナガル先生が止めてくださったからよかったのよ」というハーマイオニーはさすがだ。彼女はいつも公正公平な目を持っている。

夕食の席で、フレッド・ジョージ・リーの三人組が、しきりにムーディの授業をほめた。
ロンは、自分のクラスが彼の授業を受けるのが待ちきれないようすだった。