ハリー・ポッターと不死鳥の騎士団(第6章前半)

それぞれが寝室に戻った。
ハリーとロンが同室だった。フレッドとジョージが姿あらわしで部屋にやってきて、シリウスが言いかけた「武器」について議論を始めた。
しばらくすると、モリーが階段を上がってくる足音がしたので、話をやめ、寝たふりを始めた。
ハリー視点の物語だから、ハーマイオニーとジニーがどうしていたかはわからない。でもやっぱり、同じ話題で話し込んでいたのではないか。たとえハーマイオニーがためらっても、今のジニーならどこまでも食い下がって聞き出しただろう。「賢者の石」の頃のいじらしいジニーはもういない。

翌日は、モリーの指揮のもと、館にいる全員で客間のドクシー退治をすることになった。
この章の描写によると、ドクシーは「妖精に似た胴体」「輝くコガネムシのような羽根」「針のように鋭く小さな歯」「四つの小さなこぶし」と書かれている。カーテンに巣食っているというから、布を食べるのか?
『幻の動物とその生息地』には挿絵が載っている。手が4本、足が4本の真っ黒な動物だ。
ドクシー・キラーと名付けられた防虫剤(?)のスプレーを手に、ハリー・ロン・ハーマイオニー・フレッド・ジョージ・ジニーが作業を始めた。
そこへシリウスが入ってくる。バックビークにえさをやっていたという。するとバックビークは家の中で飼われているのか? いくら広い屋敷でも、大空を飛べる動物が室内飼いなんてかわいそうだ。

ここで「ギルデロイ・ロックハートのガイドブック-一般家庭の害虫』という本が登場したので少しおどろいた。ロックハートが無能だとハリーたちは知っているはずだけれど、でもロックハートが書いた本の中身は、他人から盗んだ知識だからまともで、彼の著書は今も有効だということなのだろう。

ドクシー・キラーを噴霧して気絶させたドクシーはバケツに放り込まれたが、フレッドはモリーの目を盗んでポケットに入れた。「ずる休みスナックボックス」の開発に使いたいのだと、ジョージがハリーにささやいた。授業をさぼりたい生徒のため、仮病を起こす菓子なのだという。まだ店を持つチャンスはないが、通販で商売をしているという。まったくこの二人は、一心同体だ。

午前中いっぱいかかってドクシー退治が終わったとき、屋敷妖精のクリーチャーが部屋に入ってきた。この家に来てから何度か名前を耳にしたが、ハリーが会うのは初めてだった。
ブツブツとひとりごとを言ったり、穢れた血をののしったりしながら歩き回っている。シリウスが口汚くクリーチャーを叱り、ハーマイオニーはクリーチャーをかばう。