ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第11章)

ウィーズリー家で約一週間を過ごしたハリーは、9月1日にホグワーツへ向かうが、その前に、ヴォルデモートがどうしていたか、第36章を参考にして考えてみよう。
ハリーがダーズリー家でリドル邸の夢を見た日、ヴォルデモートとピーターはそこにいた。ヴォルデモートは、「真の再生に不可欠な材料が揃うまで仮の住処にする体」を得ていた。そのための呪文や手順はヴォルデモート自身が知っていたから、ピーターの手を借りて魔法薬をつくり、赤ん坊のような体を取り戻していたのだ。
それより先かあとかはわからないが、ピーターは偶然バーサ・ジョーキンズに出会って、彼女をヴォルデモートの元に連れてきた。バーサはクラウチ氏に忘却術をかけられていたが、ヴォルデモートはそれを破って、クラウチJr.がクラウチ邸にいること、三校対抗試合が企画されていることを知った。
ヴォルデモートがクラウチJr.に直接会い、計画を練ったのは、ワールドカップの直後で新学期が始まる前だろう。

さて、11章。
ハリーたちが朝食のためウィーズリー家の台所に行くと、暖炉にエイモス・ディゴリーの首があって、モリーとしゃべっていた。暖炉を通じて直接の通信ができることは、このあとも何度かでてくるが、ここが初めてだ。
マッド・アイ・ムーディが騒ぎをおこし、アーサーの手が必要だというのだ。
「マッド・アイを放免できるのはアーサーしかいない」というエイモスのせりふの意味がよくわからないのだが、「『魔法不適正使用取締局』がマッド・アイを捕まえたらおしまいだ」とエイモスが言っているから、アーサーの部署で処理すれば軽い罪で済むのだろう。

ここで、マッド・アイについての会話があり、この人のことがわかる。
元は魔法省の闇払い。「往年のムーディーは偉大な魔法使いだった」とチャーリーが言い、「ムーディのおかげでアズカバンの独房の半分は埋まったな」とチャーリーが言う。変人という評価もある。ダンブルドアと親しいことも、ここの会話でわかる。

マグルのタクシー3台で駅まで行ったと書かれているが、貧乏なウィーズリー家にタクシー代が払えたのかどうか気になった。
そもそも、ウィーズリー家からロンドンのキングズ・クロスまで、どのくらいの距離があるのだろう。ウィーズリー家の場所はどこなんだろう。

ともかく、 ハリーたち3人、フレッド、ジョージ、ジニーは列車に乗り込んだ。アーサー、モリー、ビル、チャーリーがホームで見送った。
ビル・チャーリー・モリーが、今年はホグワーツで何かあるとほのめかす。「規則が変わって、ほんとうによかったわ」というモリーのせりふはあとでわかるが、年齢制限のことだろう。

隣のコンパートメントからドラコの声が聞こえたのをきっかけに、魔法学校についての話題が始まる。ドラコの父は息子をダームストラング校に入れることを考えていた。ハーマイオニーは、魔法学校はみな隠されていて、ホグワーツもマグルには廃墟に見えると話す。

ドラコが入ってきて、三校対抗試合のことをほのめかし、ロンが何も聞いていないことをあざける。

降車駅について、ハリーたちは馬車に乗り込んだ。ハグリッドは一年生を引率してボートだ。
なぜ一年生だけがボートなのか、小説を最後まで読んだがわからない。原作者の頭の中には、ちゃんとした説明があるのだろうか。