2016-01-01から1年間の記事一覧

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第26章後半)

「視界は周辺の2、3メートルなので、前へ前へと泳いでいくと、突然新しい景色が前方の闇からぬっと姿を現した」と書かれている。はてな?と思った。 捕らえられたロンが湖の中のどこに置かれているのか、どの方向へ泳げばいいのか、なぜハリーにわかるのだろ…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第26章前半)

監督生の風呂場へ行った夜にわかったことはふたつ。 まず、第二の課題の内容だ。湖へ行って、水中人に奪われた何かを取り返すこと。 そして、ムーディとスネイプの間にある対立感情だ。ムーディはスネイプに向かって「ダンブルドアはやり直しのチャンスを与…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第25章)

恋敵のセドリックに借りをつくりたくないと意地をはっていたハリーだが、とうとう決心して、課題のヒントになる卵をかかえて監督生の風呂場に行く。 監督生専用の風呂場があるということは、寮にも一般生徒用の風呂場があるのだろう。 風呂場に嘆きのマート…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第24章後半)

クリスマス明け以来ハグリッドに会えないまま、1月なかば、ホグズミードに行ける日がきた。 ハリーも行くつもりでいたが、ハーマイオニーは「せっかく談話室が静かになる。あの卵に真剣に取り組むチャンスよ」と言う。 卵のことを真剣に考えているハーマイ…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第24章前半)

ダンスパーティの会場を抜け出したハリーとロンが偶然聞いてしまったマダム・マクシームとハグリッドの会話を、ハリーはハーマイオニーに話した。ロンと違って、ハーマイオニーは驚かなかった。 「そうだろうと思っていたわ」「もちろん、純巨人じゃないこと…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第23章前半)ゴブレット(第23章後半)

クリスマスだからとハメをはずすのは、生きた人間ばかりではないようだ。肖像画に描かれた人物も、絵の中でクリスマスを祝う。 「『太った婦人』は下の階から来た友人のバイオレットといっしょに額に納まり、二人ともほろ酔い機嫌だった。絵の下のほうに、空…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第23章前半)

クリスマスが近づく。ホグワーツは雪景色になる。 ドラコがハーマイオニーを「出っ歯の穢れた血」と呼んだとき、ロンはハーマイオニーの歯が普通になっていることに気づく。たぶんハリーも、今まで気づかなかったのだろう。 ドラコの呪いでハーマイオニーの…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第22章)

この章は、「変身術」の授業風景から始まる。 「変身術」は原文では transfiguration 。transfigure は「変形させる」「変身させる」という他動詞だ。 だから一年生の最初の授業では、マッチ棒を針に変える練習をしたのだ。 (そういえば、アーサー・ウィー…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第21章後半)

ハグリッドの授業にリータが訪ねてきた日の午後は、占い学の授業だった。 トレローニーが、前夜水晶玉で見たもののことを、「…水晶の底の底を覗きましたら……あたくしを見つめ返していたものは何だったとお思い?」と話す。ロンが「でっかいメガネをかけた醜…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第21章前半)

第一の試合が終わったその夜、ハリーとロンとハーマイオニーはふくろう小屋に行った。手紙をシリウスに送るためだ。 ゴブレットからハリーの名前が出たのはハロウィンの夜、10月31日だ。そして、第一の試合が行われたのは11月24日(この日付は、17章のクラウ…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第20章後半)

ハリーはムーディにうながされ、ムーディの部屋に入った。 一昨年はロックハートが、昨年はルーピンが使っていた部屋だ。部屋の主が変わるたびに、部屋に置かれているものが変わる。あとでわかるが、次の年にはアンブリッジが入り、部屋中がピンクと子猫で埋…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第20章前半)

、翌朝は日曜日だった。ハリーは服を着るとすぐに大広間へ行った。朝食を食べるためではなく、ハーマイオニーを探すためだ。ハリーがハーマイオニーに頼り切っていることが、この時のふるまいでもわかる。 ふたりは校庭へ出た。ハリーはドラゴンを見たことや…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第19章後半)

シリウスとの約束の時間ギリギリに、ハリーは談話室へ戻った。 そこには誰もいなかった。ハーマイオニーは談話室が空になるのを確かめてから、寝室へひきあげたのだと思われる。 ふと暖炉を見ると、シリウスの頭が暖炉の火の中に見える。 11章のウィーズリー…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第19章前半)

シリウスが指示した11月22日まで、2週間あった。その日にハリーが談話室にひとりでいられるよう、ハリーはハーマイオニーと長時間かけて相談した。 ハーマイオニーは、ハリーが望まず代表選手になったことも知っているし、ハリーに対して素直になれないロン…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第18章後半)

セドリックがハンサムだという描写は、第6章にあった。この18章では「鼻筋がすっと通り、黒髪にグレーの瞳というずば抜けたハンサム」と、より具体的に書かれている。セドリックは外見上も、代表選手にふさわしい男だったのだ。フラー・デラクールはヴィー…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第18章前半)

翌朝目覚めたとき、ロンはもう寝室にいなかった。ハリーと顔を合わせるのがいやだったのだろう。 寮の外へ出ると、そこにハーマイオニーがいた。ハリーのために、ナプキンに包んだトーストを持って。 みんなに騒がれる大広間には行きたくない、というハリー…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第17章後半)

そこへムーディが入ってくる。 「ゴブレットから名前が出てくればポッターが戦わなければならぬと知っていて、だれかがポッターの名前をゴブレットに入れた」 「あのゴブレットにこの子の名前を入れるような魔法使いは、腕のいいやつだ」 「あのゴブレットを…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第17章前半)

この小説では、主人公であるハリーの心理をていねいに描写する場面が多い。 ゴブレットの中から4人目の名前を書いた羊皮紙が出てきて、その名が「ハリー・ポッター」だとわかった時のハリーの気持ち、名前を呼ばれてダンブルドアの前に出る時のハリーの気持…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第16章後半)

大広間に炎のゴブレットが据え付けられた翌日は土曜日だった。 「普段なら、遅い朝食をとる生徒が多いはずだった。しかし…」と書かれている。 イギリスの全寮制学校についてはよく知らないが、朝食はみないっせいにとるのではないらしい。土日は遅い時間に行…

ハリー・ポッターと炎のゴブレット(第16章前半)

ボーバトンの生徒たちはレイブンクローのテーブルに、ダームストラングの生徒たちはスリザリンのテーブルに座った。ロンは、クラムといっしょに座れなかったのがくやしくてしかたがない。この場面のロンのミーハーぶりは、「秘密の部屋」でロックハートにあ…